1981年に、UP-BEAT UNDERGROUNDとしてバンドが結成されて十年余り、
バンドブームを駆け抜け、混沌とした産業音楽隆盛の中でも確固たる
オリジナリティとスタイルを誇り、常に留まることなく転がり続け、
素晴らしい彼らのファンと共に日本のロックシーンを長い間支え続けてきたUP-BEAT。
そのUP-BEATが、残念ながら今年8月30日.渋谷公会堂のコンサートを以て、
UP-BEATとしてのバンド活動に終止符を打つことになりました。
昨年のNAKEDツアー終了後、ギタリストの岩永の方から ----自分の中で、
UP-BEATをUP-BEATとして捉えていく音楽性を消化しきれていけなくなっている。
そして、移り変わる時代の中で新しい価値観を見いだして、別の場所で
自分らしさをもう一度追求したい---- という気持ちのもとに、UP-BEATを
脱退したいという意思表示がありました。
その後何度もバンドミーティングを行いましたが、彼の脱退の意志は固く、
バンドとしては、それを受け入れることになりました。
そして同時に、UP-BEATというバンドの在り方において ----UP-BEATは
デビュー時からのオリジナルメンバーであるこの三人で構築してきたものであり、
この三人が同時に存在しない限り、UP-BEATは成立しない---- という
バンドとしての考えのもとに「解散する」という結論をだしたのです。
今回UP-BEATが下したこの結論は、ファンの方にとっては悲しむべき、
とても残念なことだと思います。しかし、UP-BEATはそのバンドの生き方において、
たとえ目の前に大きな壁があったとしても曲がることなく真っすぐ突き進むという、
困難にぶちあたっても、そこから逃げたりしない方法論をとってきました。
そして今回のこの結論も ----三人にとって、終わることは終着点ではなく
出発点だ---- という、すべてにおいて、その生き方と強烈なポリシーを貫いた
“UP-BEATらしい”結論な訳です。
UP-BEATが長い活動の中で生み出していった様々な“UP-BEATらしさ”
という意味において、ファンの方には受け入れてもらいたいと思います。
そして、この勇気ある結論を暖かく見守って下さい。
参考文献 :FINAL-1995.8.30 SHIBUYA KOKAIDO-